Category: 歯周病

歯周病の説明書 3

歯周病を治療する。

援軍

 歯周病菌と体の戦いの一部始終を説明してきました。歯周病菌がガンガン攻めてくるのに対し、体の戦い方は撤退戦です。そのため、歯を切り離して全身を守るという結果となります。

 よって、体だけにに任せるのではなく、援軍を呼ぶのが得策です。援軍には2つあります。一つ目が、「自分の手」。二つ目が、「歯科衛生士」です。 

参謀かつ戦士

 歯科衛生士は、参謀であり最強の戦士です。
 参謀として「自分の手」をどう使うかをお伝えします。歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなど、患者さんそれぞれにあった使い方があります。ただし、これらの道具では、歯周ポケットの中1、2ミリしか清掃できないと言われています。
 そこで、歯科衛生士は、歯周ポケットの中に入り込む最強の戦士でなくてはなりません。歯周病菌は排水溝のぬめりのうようにこびりつき、歯周ポケットの中に入り込んでいます。さらには、歯石でふさがっている場合も多くあります。
 それらを、様々な器具を使いながら徹底的に取り除いていきます。

体の回復

 援軍によって、歯周病菌が急激に勢いを失うと、体が正常化していきます。炎症が落ち着いて、ポケットも浅くなり、付着も回復します。その結果、簡単には歯周病菌に侵入されない体制が整ってきます。体の本来の力が取り戻されるというイメージです。・・・・

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歯周病の説明書 2

 子孫のために。

 歯周病菌たちは、次世代のためにさらにポケットを掘り続けます。まずは4ミリ、そして6ミリ、ジリジリ8ミリと深くなっていきます。当然、深く掘りすすめるうちに、死んでしまう歯周病菌も出てきます。
 この亡骸も無駄にしないのが歯周病菌です。それは硬く固まって、歯周ポケットの中に邪魔が入らないように蓋をします。これが、いわゆる「歯石」です。先祖が作ってくれた「歯石」という壁に守られながら、さらに体に攻撃を仕掛けます。それに対し、体の免疫細胞は戦い続けています。しかし、当の体の持ち主は、痛みも感じずに気がつかないというのが怖いところです。・・・・・・

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歯周病の説明書  1

完全に主観ですが、医療機関で配る病気の説明書にあまり面白いものはなさそうです。この冊子もその一つになる可能性が高いですが、なるべくそうならないように頑張ろうと思います。途中、「ん?」と思われる部分があるかもしれませんが、それは「面白くしようと頑張っているのだな。」と暖かく見守っていただければ幸いです。

歯周病はどんな病気か?
 
 いきなり、嫌な例えから入ります。
 例えば、指の皮膚を突き破ってて骨が出ていたとしたらどう感じますか? 僕は単純に「怖い」のですが、菌が入りそうなので,
すぐに消毒したいと感じます。ビニール袋に穴が開くと、色々入り込んでしまうのと同じで、皮膚に穴が開くと細菌が入り込んでしまうからです。

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