通院していただいている患者さんのための 用語集3

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ーこちらは、当院で配布している冊子を抜粋したものですー

こちらの記事の続きになります。

不確実性【ふかくじつせい】

前ページの『治る』の❸と❻がこれにあたります。歯科医師としては認めたくないところですが、複雑 な人の体を扱う以上、このようなことは起こり得ます。僕が治療する時には、自然をコントロールしよう と立ち向かっているような気持ちになっています。
❸と❻、同じ不自由さでもどちらの方が、許せるでしょうか?多くの方が❸の方がマシと思われるのでは ないでしょうか。 不確実性を減らすには、そもそも『治すべきか?』から十分に考えなければなりません。

許せる【ゆるせる】

これは、僕が非常によく使う言葉です。 例えば、患者さんが「歯がしみる」とおっしゃったとします。拝見すると、医学的にみて治療介入が必 ずしも必要ではない状態です。それを治そうとすれば、❷の「治る」になってしまいます。 そんなシュチュエーションで、僕は「許せる?」と質問します。許せないならば、❷の「治る」を目指 して治療をし、許せるならば「医学的には様子を見て良いですよ」という言葉によって、❶の「治る」の 可能性を残します。許せなくなったら、❷の「治る」を目指せば良いわけです。 適当な感じを与えかねない言葉ですが、このような背景がありますのでご理解ください。

先生【せんせい】

強くて自信があって頼もしく、任せると病気を治してくれる歯科医師のこと。 歯科医師になって5年ぐらいは、そんな『先生』に憧れて研鑽を重ねましたが、僕は『先生』になるのは無理だと気がついて、いまこれを書いています。

センセー【せんせー】

当院のみの造語。本当は『さん』付けで呼ばれたいのですが、混乱を招くため、このように呼ばれています。 先生と呼んでいただいても、僕たちの頭の中ではこう変換されています。 くまもんの「もん」みたいなものです。 不確実性を前提とすると、先生と呼ばれるのが申し訳なくなってきたために作った造語です。

研鑽【けんさん】

病気を治すために、より高度な知識技術を身につけるために努力すること。 次のページの『不確実性への対応』の3に該当します。

ケンサン【ケンサン】

どれだけ研鑽したとしても、医療には不確実性が伴います。 『研鑽』は、不確実性を減ずる対策の一つにすぎません。歯科医師は、研鑽は当たり前にするものであって、 それを過信して❻の「治る」を増やしては意味がありません。僕らの努力は、研鑽って難しい漢字で書くほど でもないという意味を込めた造語です。

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