通院していただいている患者さんのための 用語集5

ーこちらは通院中の患者さんにお配りしている冊子を転載したものですー
以下の記事の続きになります。
原因【げんいん】
歯科が扱う代表的な2つの病気は、虫歯と歯周病です。 僕が歯科医師になってよかったと思っているのは、原因そのものをコントロールできるというところで、こ れが、歯科の真骨頂です。そして、これに携わるのが歯科衛生士です。
簡単に説明します。虫歯も歯周病も、細菌が原因の感染症です。 細菌は、生き物です。蟻をイメージしてください。繁殖するために必死です。 口のどこかに巣を作ろうと虎視眈々と狙っています。 歯の中に巣を作るのが虫歯菌、歯と歯ぐきの間を狙うのが歯周病菌です。
こう書くと怖いですが、彼らはすぐに巣を作ることができるわけではありません。 城攻めをイメージしてください。城の周りに敵兵が集まり、陣を張って準備します。それと同じで、細菌に も準備の時間が必要です。この細菌が作った陣が、バイオフィルムと呼ばれています。バイオフィルムが強い 攻撃ができるようになるまで成熟するのに3ヶ月必要と言われます。
どうすればよいでしょうか?
そうです。 敵の陣が完成する前に、定期的に強力に攻撃すれば良いわけです。 これは、科学的に効果が高いことが証明されています。 この攻撃を『メンテナンス』と言います。 そして、その専門家が歯科衛生士なのです。
歯科衛生士【しかえいせいし】
歯科衛生士は歯科医療の肝です。しかし、現在、大変不足しています。歯科衛生士は、地域の医療資源と言っ て良いと思います。患者さんには、まず歯科衛生士という仕事を認識していただけるとありがたく思います。 ちなみに、僕は過剰と言われている歯科医師の1人です。