通院していただいている患者さんのための 用語集4

ーこちらは、当院で配布している冊子を転載したものです。ー
以下の記事の続きです。
不確実性へ の対応
これが、まさに当院の肝であります。 歯科医師になった頃は、研鑽することが患者さんへの貢献に直結すると信じていました。しかし、そんなに 簡単なものではありませんでした。そこで、思考を重ね6つの対応を考えました。
1 健康を定義する。
2 治療すべきか否か?を思考する。
3 治療するならできる限りの精度で行う。(研鑽する。)
4 原因を取り除き続ける。(重症化予防)
5 問題が起きた時の対応を準備する。
6 長いおつきあいを。 論理的に考えてすべて外せない要素ですが、つまらない文章になりそうなので、ピックアップして説明します。
健康【けんこう】
当院では、患者さんが『健康です』とおっしゃれば、健康であると定義しています。 しかし、その健康が、今後も続くのかどうかは専門家である僕たちの方がわかるかもしれないと考えています。 この思考は、過剰な医療へ振れてしまうのを防ぐ効果があります。
治療の精度【ちりょうのせいど】
あまりこれに言及するのは良くないと思いますが、当院の特徴の一つに、ほとん ど全ての治療でマイクロスコープを使用することが挙げられます。使いこなすのに時 間がかかること、設備投資が膨大になることから保険治療で使うのは無理だと言わ れています。しかし、不確実性を前提にする以上は、これぐらいやらなければとい う気持ちで始めました。同業の方が当院の設備を見ると、『随分余裕があるなあ』 とおっしゃるのですが、それは北洋さんと道銀さん、そして日銀のおかげです。 そう言われて悔しい時は、心の中でこっそりとこの句を思い出します。
見ればただ なんの苦もなき水鳥の 足に暇なき我が思いかな (水戸光圀) マイクロスコープは道具にすぎませんから、印籠のように万能ではありません。