歯周病の説明書 3

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こちらの記事の続きです。

http://sanrokushika.com/blog/2020/01/11/per-setumei-2/

歯周病を治療する。

援軍

 歯周病菌と体の戦いの一部始終を説明してきました。歯周病菌がガンガン攻めてくるのに対し、体の戦い方は撤退戦です。そのため、歯を切り離して全身を守るという結果となります。

 よって、体だけにに任せるのではなく、援軍を呼ぶのが得策です。援軍には2つあります。一つ目が、「自分の手」。二つ目が、「歯科衛生士」です。 

参謀かつ戦士

 歯科衛生士は、参謀であり最強の戦士です。
 参謀として「自分の手」をどう使うかをお伝えします。歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなど、患者さんそれぞれにあった使い方があります。ただし、これらの道具では、歯周ポケットの中1、2ミリしか清掃できないと言われています。
 そこで、歯科衛生士は、歯周ポケットの中に入り込む最強の戦士でなくてはなりません。歯周病菌は排水溝のぬめりのうようにこびりつき、歯周ポケットの中に入り込んでいます。さらには、歯石でふさがっている場合も多くあります。
 それらを、様々な器具を使いながら徹底的に取り除いていきます。

体の回復

 援軍によって、歯周病菌が急激に勢いを失うと、体が正常化していきます。炎症が落ち着いて、ポケットも浅くなり、付着も回復します。その結果、簡単には歯周病菌に侵入されない体制が整ってきます。体の本来の力が取り戻されるというイメージです。

歯周病菌は「治る?」

 これで歯周病が落ち着きました。場合によっては「治った」と言ってもいいかもしれません。ただし、インフルエンザが「治る」
のとは違います。歯周病の場合は、「一時的な安定」にすぎません。ケアをサボれば、歯周病菌が攻撃を再開し、歯茎から出血してきます。歯周ポケットが深いところ(4ミリ以上)の部分がある場合は、その内部の環境は非常に悪化しやすくなります。

定期的に援軍を頼む

 今まで書いてきた通り、歯周病菌はコツコツ積み上げて、歯と歯茎の間の付着を破壊してきます。破壊できるぐらいの力をつけるのに3ヶ月ぐらいかかると言われています。よって、ちょうどコツコツ積み上げた頃に、歯科衛生士が徹底的に取り除くのが最も効率が良いのです。これが、歯周病予防に定期的な「メンテナンス」が圧倒的な効果がある理由です。

歯周病治療の実際
 
 さて、そろそろ具体的にどのように治療していくのか?ということをお伝えしたいと思います。下にチャートを作りました。
 基本的には、
 ① 検査
 ② 細菌除去
の繰り返しだと思っていただいて構いません。

図で示すと以下のようになります。

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