歯周病の説明書 2

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歯周病の説明書1(歯周病はどんな病気か?)続きです。

http://sanrokushika.com/blog/2020/01/10/per-setumei1/

 子孫のために。

 歯周病菌たちは、次世代のためにさらにポケットを掘り続けます。まずは4ミリ、そして6ミリ、ジリジリ8ミリと深くなっていきます。当然、深く掘りすすめるうちに、死んでしまう歯周病菌も出てきます。
 この亡骸も無駄にしないのが歯周病菌です。それは硬く固まって、歯周ポケットの中に邪魔が入らないように蓋をします。これが、いわゆる「歯石」です。先祖が作ってくれた「歯石」という壁に守られながら、さらに体に攻撃を仕掛けます。それに対し、体の免疫細胞は戦い続けています。しかし、当の体の持ち主は、痛みも感じずに気がつかないというのが怖いところです。

 どんでん返しの反撃

 私たちの体は、やられっぱなしなのでしょうか? いえいえ、私たちの体は頭がいいのです。歯周病菌が調子に乗って、12ミリぐらい掘りすすめると、歯がプラプラになって抜けていきます。体が歯を切り離すのです。その結果、歯に付着していた歯周病菌は、歯とともにおさらばとなります。
 歯を失ったけど、歯周ポケットはゼロ。体へ歯周病菌が侵入する
こともなくなりました。めでたしめでたし?

 体への負荷

 体の戦い方は、撤退戦です。炎症が強くなると、体の中に細菌が侵入しないように徐々に骨を溶かして逃げていきます。戦っている途中は、基本的にはほとんど痛みを感じることはありません。ただし、常に慢性炎症があることなどによって、糖尿病、虚血性心疾患、リウマチなどなど多くの疾患と関わりがあることが示唆されています。

では、どのように治療していくのでしょうか?

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